自己満足と個人主義

先日ちょっと思ったことがあるのでここに書き残しておきます。

色々な方と話す機会はあるのですが、ここ最近印象に残った3名分で。同じようなことに対して違って視点、価値観を持っています。二人はある販売店の店長(Aさん(男性/30代)、Ｂさん(女性/40代))、もしくは店長クラス。もう一人は30代の起業家/経営者(Cさん)です。

Ａさん(販売店店長)

今は昇格して店長からフロント入りしている感じです。ただ、店長時代の話しをしてくださりました。こちらのＡさん自身、非常に販売上手で毎月全社でトップを記録していたようです。店長になる前から販売実績があり、店長に昇格してからも引き続き売り上げをあげていたそうです。非常に戦略的でよく考えて、顧客、潜在的な顧客からうまく要望を聴きながらその上を行く提案をされていたそうです。それはその商品を購入した後の世界観(イメージ)であったり、金銭的なメリットであったり、このように説明を受けるとデメリットが考えられないなぁ、なんて思ってしまうと思います。

店長に昇格されてからは自身の販売実績ではなく、店としての成績も問われます。また、若い社員、メンバー、部下などを育成していかなければなりません。そのために自分が営業して成約までの道筋を作って直前に部下に譲ったりして成果をおすそ分けしていたそうです。もしくは自分の営業現場に同伴させてそのトークを経験させたりしていたそうです。あれこれ教えるコトはしなかったようですが、見せたり、成功体験をさせたりしていたそうです。

Ｂさん(販売店店長)

Bさんは店長になってまだ数年です。販売でもそれなりに実績を残しています。店長になってからは年上の同僚(部下)とのやり取りに色々苦労されているようです。Bさんは管理職として、というよりも販売で顧客に寄り添って会話をしながら提案をしていくのが大好きなようです。店長になってからは裁量も増えるので自分の裁量で好きにどんどん営業をして販売を伸ばしています。夜遅くまで、休みの日も職場に来て顧客との商談のための資料を作成しているようです。職場に出かけないのは月に2、3日だそうです。それくらい販売という仕事が好きなんですね。ただ、昔は頑張り過ぎて体調を崩したこともあったようです。

Bさん自身は全社でもトップクラスの成績を収めており、特別表彰の交渉をしているようです。

Cさん(起業家/経営者)

Cさんはセッションさせていただいた方です。いくつかの顔を持っていて、大企業でコンサルティングの仕事をしていたり、NPO法人の代表をされていたり。ある社会課題に向けて頑張ってらっしゃいます。常に忙しくされているのですが、目標は自分がいなくても回る組織を作ることだそうです。Cさん自身が組織、法人を立ち上げて頑張ってこられましたが、特に社会貢献していく法人では立ちあげることが目的ではなく、継続的に社会貢献していく必要があります。そのためにはCさん自身が引退しても続いていく必要があり、そのために色々考えていらっしゃいます。これには個人的に非常に共感します。人が変わるといきなりサービス、対応が悪くなったり、がありますよね。起業した人の理念をしっかり継続しつつ、時代に合ったサービスを提供していくことが一番の社会貢献のような気がします。

ただ、忙しい中、人に任せることがなかなかできず、自分がやった方が早い、結果的にもっと忙しくなるというスパイラルに苦しんでいるようです。そこが現時点の課題でそこに色々取り組んでいらっしゃいます。

まとめ

3人とも管理職、組織の上役の立場でいらっしゃいますが、考えがそれぞれ違います。組織力向上、という意味では同じですが、その組織力をどう捉えるか。営業成績なのか、持続性なのか。そのどちらも、なのですがその時に状況、立ち位置、目指す姿で優先順位は決まってきます。

逆に自分が部下、メンバー、担当者だったら、どのような上司、上役につきたいでしょうか？また、自分がそういう上司になれるでしょうか？

タイトルの『自己満足と個人主義』ですが、これらの3名からどのように感じられるでしょうか？ちなみにCさんはBさんみたいな考え方の人を自己満足、とおっしゃっていました。もしBさんが特別表彰されることがなく、それが不満で辞めてしまった場合、その会社は大きく売り上げが下がることになります。販売会社はそれで仕方ないところはありますが、社会貢献をするようなNPO法人ではそれは困るわけです。持続性が重要なわけです。一方、利益を求める法人ではステークホルダーに還元しなければならないので常に売り上げ、利益が右肩上がりである必要があります。そのためにBさんのような人をいかに引き留めるかが経営判断になるのでしょうね。

何か考えるきっかけになれば嬉しいです。