開発の嵐が去って・・・
職場での話に戻りますが、うちの組織は技術部に技術室が4つ。私が所属する室には課が2つ。一つは私が課長で、もう一つは同期の人が課長をやっています。私の課は大きな開発案件が終了し、その製品の生産性、採算性改善、量産維持や他の製品の量産維持、あと、詳細に向けた種蒔き(要素技術開発?)をやっていました。もう一つの課は新しい開発案件が来てその開発に没頭していました。もう一つの課の案件も非常に重要で、納入先にとってもうちの事業部にとっても非常に戦略的で今の中心製品の後釜になる製品であるだけでなく、製品の特性としても大きく位置づけを変える製品でしたね。
また、私が駐在していたシンガポールオフィスをデンソーから分社化させ、デンソーウェーブシンガポールとして法人化する計画が突如持ち上がりました。デンソーウェーブシンガポールとして技術開発会社、とするとシンガポール政府から助成金(インセンティブ?)を貰えるからです。デンソーシンガポールは販売会社が基本で我々はそこを間借りさせてもらっている形だったのでやりにくさがあるのも事実でした。私もシンガポール駐在経験者としてそのプロジェクトに巻き込まれていましたが、逆に『上手くいくのかなぁ?』と。納入先中心のOEMビジネスで本当にインセンティブ貰えるのかなぁ?と。ま、メンバーに入れられたのでその本音は隠したまま仕事していましたが(笑)。その話はまた機会があれば・・・。
さて、何故シンガポール新会社の話をしたか、というとその新会社での技術者育成という観点で自分が担当していたのですが、その際にデンソーの技術育成部門?に問い合わせたところ、組織開発、という言葉を聞いたからです。
開発部隊の組織というのは結構大変で役割担当をしっかり決めながらも全体を把握している人(プロマネ)がいて、かつそれぞれに遅れがないように上手くやっていく必要があります。それゆえ、見た目上は役割毎に負荷に差が出たりして不満が出たり、技術的課題、コントロールできない外的要因で遅れが発生してそれを取り返すためのハードワーク・・・。開発に携わったことのある方なら分かると思いますが、途中で遅れが発生しても最終出荷日に変更はしない、なので試作スケジュール、評価期間短縮等にとばっちりが来ます。そのあたりをプロマネが上位職制や納入先に悪い印象を与えないような説明をするのでメンバーに負担が来るんですね。そういったことからプロマネとメンバーの信頼関係がなくなったり、メンタル病んでしまったり・・・。休んでいる人はいませんでしたが、アンケートを取ると隣の課は100点満点中40点台でした。私の課は80点台くらい?だったかな。
開発で負荷が高いときは点数が低くなる傾向はありますが、40点台はなかなか、です。
そんなこともあって、組織開発という言葉がちょっと響いて、社内のコンサルもその手法を広めたいこともあってうちの室でやってくれることになりました。「KI (Knowledge Intensive Staff Innovation Plan)」をベースに社内で内製化した手法です。基本的に実践的な課長のためのマネージメント研修ですね。デンソーではDKIと呼んでいますが、DensoKachoIjime(デンソー課長イジメ)なんて揶揄されていました(笑)。
詳細はここでは省きますが、これまでの課長像とは違って非常に大変、メンタル的に辛いところはありますが、私は結構平気でした。これまでのやり方と違うので本当に効果あるのか、実業務への影響がないのかは心配でしたが、メンバーの一体感が上がり、成功体験もたくさんできて、結果的に大きな効果がありました。仕事の遅れも最初のうちの慣れない時の遅れだけで結果的に挽回できたし、メンバーの価値観も変わって成長してくれたし、それによって結果的にマネージャーの仕事も楽になりました。まぁ、うちの課はうまくいった方で、いつもここまで成果が出るわけでもないようです。隣の課は多少は良くなりましたが、根本的にはあまり変わっていないようでした。この辺りは課長や室長の資質や本気度に左右されるようです。
メンバー一人一人が期待通り成長したか、というとそうでもなくて、成長の大きい人が成長の少ない人をカバーしてトータルで組織として成長した、という感じですね。私としては成長の大きい人を昇格させたいなぁ、と思うわけでそうでない人をどう扱うか、はちょっと困った記憶があります。まぁ、もちろん、何もしないよりは良かったわけで。
ただ、自分はもう一つの課を見ながら、もあって自分の気持ちにちょっとした変化が生まれてきましたね・・・。これはまたそのうち。具体的には私に対して次長格昇格(の権利)への案内があったのですが、それを断ってしまいました・・・。
こちらでも軽く自己紹介しています。
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