世の中のモノは色々進化しています。今日はそれについてちょっと触れてみます。
環境は変化し、ユーザーの嗜好は変化し、それに対応する新しい技術が開発され、新しい物質が発見され、環境変化、嗜好変化に追従するような製品が次から次へと開発されます。
環境というのは地球環境もそうですが、安全に対する意識の高まり、物価高に高まる意識の高まり、市場の変化(国内標準から世界標準)などがあります。
こういったものに対応しようする製造業、メーカーの努力には頭が下がる思いです。自分も工場向けとはいえ製品開発の責任者をやっていましたのでその苦労はそれなりにわかるつもりです。
新しい技術なんてそうそう出てくるわけではないし、色々な部品が出てきますが、色々な機能追加や信頼性向上で値段が上がっていきます。
それぞれの課題にどのように対応するか、というのはメーカーの腕の見せ所です。
例えば部品コスト増には量で対抗します。ただ、ユーザー嗜好は多様化するので同じ製品がたくさん売れる時代ではありません。ですので部品やプラットフォームの共通化で量を稼ぐ、ハードウェアを共通化して量を稼ぎ、ソフトウェアで別製品化するなどの手法が取られます。ただ、万が一、市場で何かしら不具合が発見されるとその対応(市場対応、サービス、リコール)は莫大なものになります。
はて、触れたいことから逸れました。
なんでこのテーマに触れようかと思ったかと言うと、先日、うちのトイレが故障して新しいものに変えました。もう30年近く経っているのでなんの文句もないのですが。
で、30年も経てばトイレそのものの値段も上がっているのですが(元々備え付けのトイレなので元の値段は分かりませんが)、ウォッシュレット、便座にヒータなどが付いています。それよりも一番驚いたのは水洗する際の水の量です。
旧トイレではレバーを引くと結構な量の水が流れます。それでも便器にこびりついたものが流れないものがあるのであとでブラシで掃除します(食事中の人、ごめんなさい)。
新トイレは明らかに少ない水の量でしっかり流しきれます。私は専門家ではないので詳細は分かりませんが、便器の形(明らかに違う)、便器表面のコーティングなどで少ない水量で流しきれるように工夫がされているのだと思います。ウォシュレットやヒータがなく、基本の物価高がなければ旧トイレとそれほど変わらないコストだったのかもしれません。販売価格は商流やアフターケアなど色々な思惑が絡みますし、開発に掛かった費用も乗ってくるので同じにはならないと思いますが。
今は3DCADなどで水の流れや量を実際にモノを作ることなくシミュレーション出来るので、開発者の方々が色々工夫されてこの形を導き出したのでしょう。
開発者は得てして新しい部品、分かりやすい性能を使いたがります。それをシミュレーションなどを活用することによってトイレという製品そのものの性能を向上させているところが元開発者として尊敬の念を禁じ得ません。
30年近く経っているのだから当たり前なのかもしれませんが。
車もナビやTCS、AYC、ABSなど運転手の支援をする性能は大幅に向上しています。もちろん、色々な技術、材料の進化によりボディ剛性やコーナリング性能など、車そのものの基本性能も向上しています。
人、そのものも進化していかなければなりません。新しい知識を得たり、何かに挑戦して経験したりも進化の方法です。これらは大きな変化を短期間で得られるでしょう。ただ、それを活用するのはその人自身です。
地味かもしれませんが、その人自身の進化には価値観を変えることも進化です。また、それによる変化、効果が得られます。ネガティブ思考の人がポジティブになったり、慎重な人が大胆になったり。
良く人の進化を大木で例えられます。
木の幹、根、枝葉(花)です(言い換えれば体・心・技です)。人は目先のスキル、簡単に効果の出る方法を求めます。それが枝葉、花(技)です。大木の見た目で非常に分かりやすい指標ですからね。しかし、その枝葉、花のためには幹や根(心、体)がしっかりしていなければいけません。心や身体がしっかりとしていなければその技術も生かせません。人本来の性能は心・体があっての技術かと思います。
自分の心・体もしっかり磨いてみませんか。
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