さて、産業医に復職OKを貰って正式(?)に通常の業務に戻ってもらうことになりました。
といっても、当時は残業が当たり前、アメリカの顧客相手、マレーシアの製造工場や仕入先さん相手だったのでどうしても電話会議、Web会議などで勤務時間が不規則になります。設計者としての担当を付けると通常業務がまぁまぁハードです(笑)。
元々、不規則な勤務体系が要因でメンタル疾患になったわけではないようですが、通常復帰に向けてじっくりと話し合いました。ただ、自部署だけでなく、顧客や製造工場の要望に応えようとするとどうしても無理をしがちです。本当は担当を彼一人ではなく、二人、三人にするようにしたいのですが当部署にそこまで人数的な余裕があるわけではないし、顧客、製造工場の担当者からすれば問い合わせ先は一人にしたい。
そういうこともあって休職前の状況、今後の起こりうる状況を想定して徹底的に話し合いました。普通にやると同じようにメンタル病む可能性は高そう。でも次また休職すると復職が厳しくなります。なので彼にもある程度覚悟は決めてもらい、私自身も全力のサポートをする約束をしました。
具体的には毎日朝と夕方に状況とタスクの確認。それぞれがいつまでにやるのか。毎日どれだけの時間をそれに割けて完了が可能なのか?また、リソース、能力的にどうなのか?不可能、もしくは危険なのであればタスク納期を相手と話し合う(私が)。どうしても、というのあれば私のタスクとして他の人や部署との調整を行う。必要であれば私の上司に打ち上げて支援を依頼する、など。彼一人にそこまで時間を割くのは私としても大変でしたが、少しずつ彼のCapacityとCapabirityが増えていくのが分かるし、彼の顔色も良くなっていくのが分かったのでそれはそれで楽しかったですね。
復職して半年?一年?ほど経った時に社内でちょっとした業務報告会があって社長や役員の前で報告、発表します。通常は昇格を狙っている人、推薦したい人のお披露目会的な要素もあるのですが、今回うちの部署からは彼にやってもらうことにしました。結構プレッシャーです。休職していたこともあって昇格はしばらくないはずですが・・・(笑)。
結果から言うと問題なく実施してくれました。準備もしっかりして私の見れていない所でもしっかり練習していました。賞には届きませんでしたが、やり切った彼の表情は充実した感じだったのは今でも覚えています。
それ以降、暫くは色々な仕事の中心として積極的に動いてくれました。意外に自分で考えて行動するタイプでした。マメに報告もしてくれます。私としては安心して任せて置ける人でした。認証業務関連でロシアに国際電話したのはびっくりしましたが(笑)。海外出張にも一人でいってもらったりもして、もうほぼ完全に他の人と同等かそれ以上のパフォーマンスを示してくれましたね。
後年、私も部署移動になって直接面倒を見ることはなくなりましたが、たまに私の方へ来て悩みを話してくれたり、他の人も連れて呑みに言ったりもしていました。元気にやっていたようですが、私が退社してしばらくして色々思うことがあって退社した、と聞きました。退社した後も一度会いましたが、非常に元気で、転勤先は彼の実家の近くで(彼曰く)ホワイト企業だそうです(笑)。一緒にやっている時に色々経験して得てくれたので新しい職場でも余程変な上司や同僚にあたらなければ大丈夫でしょう。仮に当たってもどうすればよいか、自分で考えて行動できると思います。
私の会社員時代、管理職時代の思い出のある人でした。引き続き元気にやってくれていれば良いなぁ、と思います。
コメント