続きです。
産業医面談後、彼の復帰に向けて、が始まります。
何段階かあったのですが
- 朝の出社時間に図書館へ出かけ、半日は本を読む。午後には帰宅。
- 朝出社し、半日会社で読書する(仕事はしない)。午後には帰宅。
- 朝出社し、半日、負荷、責任のない仕事を行う。午後には帰宅。
- 朝出社し、一日、負荷、責任のない仕事を行う。夕方定時に帰宅。
- 産業医面談を行い、復職OKか否かを判断してもらう。
こんな感じです。1~5で大体1年くらいかけて行いました。週に一度は何かしたレポートを書いてもらって、私がそれに何かコメントを書いて返します。
2.の最初の出社時は会社に来てくれるかなぁ?とちょっと不安もありましたが元気に(?)に出社してくれて安心した覚えがあります。私以外の周りの人も笑顔で受け入れる感じで助かりました。2回目なので彼本人も周りの人も慣れていたのかもしれませんが。
私自身困った、というか大変だったのは3.の負荷、責任のない仕事をしてもらうことです。基本的に総合職、技術職で頭を使う仕事がほとんどなのでそれぞれに責任を持ってやってもらう仕事がほとんどなのですが、負荷が軽い、責任がない仕事を作ってやってもらうことでした。
図面の検図や実験などもちょっとお願いしにくいので、(他の設計者が作成した)部品表の整理、紙類をpdfにしてサーバー、フォルダ上に整理するなど、アシスタント業務を作り出してやってもらいました。自分も帰任して課長になったばかりだったのでそういう仕事を作ってお願いする、出来上がりを確認する業務はあまりやったことなかったので良い経験にはなりました。
負荷が軽くて責任がない、とは言え、元々優秀な人ですからあまりにも簡単に、あっという間に終わってしまい、すぐに次の仕事を考えなければいけないのでそれは大変でした(笑)。かなり余裕があったようなので最後の方はある程度の通常業務もお願いしてやってもらっていました。でないと、仕事考えるのが大変過ぎて・・・(笑)。
出社当初は言葉少な目でしたが、仕事お願いしたり、レポートに返信したり、面談したりする中でだいぶ腹を割って話してくれるようになったので安心した記憶があります。
色々大変でしたが、この時の経験は色々な意味で良い財産になりました。海外で文化、価値観の違う同僚相手も大変でしたが、同じ職場でメンタルの強い弱い、というか色々な人いるんだなぁ、と感じた時でした。
最後の産業医面談をしても問題なく、復職OKを頂きました。ホッとしましたね・・・。
もちろん、メンタル疾患になる人が一番大変です。しかし、その人を復職サポートしていくのも結構大変です。本来の仕事、責任にプラスしてやっていかなければなりません。もしかしたらそのきっかけを作ってしまったのかもしれませんが、私のように急遽人事異動でやらなければいけなくなってしまい困っている管理職の人も多いのではないでしょうか。
真摯に向き合って支援していくとあなた自身も人間的に大きく成長することができます。是非嫌々ではなく良い機会と捉えて取り組んでもらいたいと思います。ただ、何をやってよいのか、どう考えたら良いのか、などで自身が迷いメンタル病んでしまっては意味がありません。特に技術系の仕事をしている人は技術系に特化して学んで、経験してきているのでこういった人を支援する仕事は慣れていません。昇格して責任が広がっていけばいくほどそれまでとは違う系統の仕事を経験していかなければなりません。
不安に思う方、是非お問い合わせください。一緒に最善の方法を探っていきませんか。
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