今回は個別論と一般論について触れてみます。
人と会話をする際に意外と噛み合わないことってあると思うんですが、それがこういうところからきていることもあったりします。
先日、こんな会話がありました。ゴルフをしていてあるホールでの救済の受け方を話している時です。ティーグラウンドの前に池があってある方(Aさん)がティーショットをダフッてしまい、ボールが手前から池の方に向かって転がっていきました。恐らく、転がって池にはいってしまった、と言う感じの状況です。ただ、ティーグランドから池はかなり下方にあって手前から転がって入ったところは見えません。
Aさん:暫定球打ちます(競技ではなく、プライベートラウンドなのでここから練習でもう一球打ちたい、という意味です)。
Bさん:池の処置で前から打てますよ。
Aさん:池に入ったところが見えないからロストかもしれないし・・・(手前に残っているかもしれないし)。
Bさん:池に入っているのが確実(合理的な判断による)な場合にそういう処理をすると2打罰つくよ?(前に行けばボールがあるかも知れないし、なければ池だし)
Aさん:えっ?
ゴルフをやらない人にとっては何のことやら?かと思います。
ここではルールに対してどちらの解釈が合っているか、と言う話をするつもりはないです。
後からAさん、Bさんに話しを聞いてみると、Aさんは一般的に池に行った時の処置の話しをしていました。Bさんはこのホールでルールを活用して不利にならないような救済の受け方を提案しています。ミスした後にもう一度練習したい人と救済を提案している人の噛み合わない会話だったわけです。
どちらも悪気はなく、それぞれの思いに立って正しいことを述べています。つまりどちらも正論です。それでも噛み合わないことがあるわけです。
上の話しは、それぞれの立ち位置に立っていえばどちらも規則上正解です。詳細は避けますが、それぞれはそれなりに考えて話している、ただ、ちょっと説明を避けて結論に行ってしまっているところがあるので違和感を感じるかもしれません。
話しを変えます。
何か問題が発生した際、その問題を解決するためにその問題に対して原因究明をしてその問題に対して固有の対策を打ちます。その後、それを横展開、再発防止をするためにもっと一般化した対策を考えます。でないと、似たような、でもちょっと違う問題が起こった時に再発してしまう可能性があるからです。一つの特殊な問題から少しでも未来の問題を未然に防ぐために対策は広い範囲に渡るようにしておくわけです。会社、仕事ではこういった手法が取られます。
逆に設計ではあらゆる条件を考慮して一般的に満たすような設計をします。実機評価では条件は振りますが非評価機は一つなので固有結果になってしまいます。設計を満足しているか否かを評価するにはそれなりの評価方法が必要です。
数学でも問題を解く際にまずは実験をして”あたり”を付ける、法則を見出す。そこから一般性を持つように論述で証明してきます。数学的帰納法もそれに近いですね。色々な公式も思考や計算を簡潔にするために一般化したものです。
市販されている製品、機器、道具などは多くの人に受け入れられやすいようにあらゆる条件で使いやすくなるように仕様が決まっています。
例えば乗用車は日本全国どこでも使用できるような仕様です。
でも沖縄と北海道、夏と冬、買い物にしか使わない人と遠出をする人。毎日乗る人と月に一回しか乗らない人、街乗りの人とサーキットを走る人、では欲しい仕様は本来異なります。そういった乗り方に合わせてカスタマイズを楽しんでいる人もいます。
塾でも多くの生徒を相手にする塾と個別指導を売りにしている塾があります。
スーツも量販店で販売されているものとオーダースーツ。
どちらを求めるか、どちらに思考が傾倒しているかは結構人によって異なります。
誰かを会話する時に何か噛み合わないないな、なかなか話が先に進まないな、と感じる際はこういった個別思考か、一般思考かについて考えてみて相手に寄り添ってみる、もしくは目指す結論に向けて誘導してみる。というのも手です。
また、色々なセミナーや研修などで学ぶことは一般論的なことが多いです。それを自分に合う固有論、個別論に落とし込むのは自分自身でしかありません。逆に言うと、それが出来るか出来ないか、でそこで学んだことを生かせるかどうかが決まります。
私も過去の経験を踏まえて、現在自分を変えたい、と思っている方をコーチ、メンター、カウンセラーとしてサポートさせていただいています。目標はあるのになかなか変われない、続けられない、という方、是非一緒に取り組んでみませんか。お気軽にお問い合わせください。
こちらでも軽く自己紹介しています。⇒GCSコーチ検索、コーチ探せる、Social Coach、事業継承専門ネット、Truly App
Xでも軽く呟いています。
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