『人間万事塞翁が馬』という諺があります。
一見、不運に思えたことが幸運につながったり、その逆だったりすることのたとえ。幸運か不運かは容易に判断しがたい、ということですね。
自分の意志と異なる結果になってしまったり、結果をコントロール出来ないことは身の回りに幾らでも起こり得ます。それに対して一喜一憂しても仕方ない、ということでしょうか。それはそれで人間らしい、のですが。
海外での言い回し
海外でもこれに似た多くの諺や言い回しがあります。
- ケ・セラ・セラ、fortune is unpredictable and changeable(幸運は予期できず、変えることが出来る)
- Life is like a box of chocolates(人生はチョコレートの箱みたいなものだ:開けるまで何が出るかわからない。)
- Whatever will be, will be(なるようにしかならない、なるようになる)。
『なるようにしかならない』、というのは自分の好きなフレーズで自分に言い聞かせることもありますが、自分の部下への声掛けに使うこともありました。
幸運か不運かは容易に判断できない
野球の試合で監督がバントのサインを出した。でも選手は失敗して2ストライクに追い込まれた。仕方なしに「打て」に変えると選手はヒットを打って結果的にチャンスが広がった。
期待のエースがケガをして投げられなくなった。そのエースに対策を練っていた相手チームは代わりのピッチャーを全く攻略できず、結局エース不在で勝ってしまった。
希望する地元の大企業に就職出来た。同期が数百人いて、希望とは全く違う部署に配属されて、全く知識のない仕事をすることになってしまった。でも周りは優秀な人ばかりで全然昇格出来ない。次世代の人にもどんどん追い抜かれていく・・・。給料も悪くなく、あまり辞めたくない・・・。しかし、そこでコツコツやっていたら新しい知識、スキルが身について大手の競合会社からヘッドハンティングされた。転職して成果も出た数年後、環境変化によりその会社の業績は悪化し、その事業は閉鎖されてしまった。
優秀な部下にある仕事を任せた。途中まで非常に上手く行っていた。ほんのちょっとした環境の変化(円高?企業の不祥事?社会事件?)で上手くいかず成果が出なかった。その部下は自信を無くしてしまった。
判断出来ないことをどう捉えるか?
『今の自分があるのは過去の自分が選択した結果である』という言葉もあります。自分の意志とは違う環境に置かれてしまったのだから自分が選択した結果ではない、と思いたくなる気持ちもあります。しかし、そこでどのような反応をするのか、対応をするのか、と言うのは自分の選択です。『人はモノゴトによって悩むのではない。その受け取り方によって悩むのである(エピクトテレス)』を心に留めて『人間万事塞翁が馬』という解釈をしているとモノゴト、結果に一喜一憂しなくなり、物事を前向きに受け止めることが出来ます。失敗、だと思ってもそれも前向きにとらえる考え方、言葉はいくらでもあります。
自分で「メンタルが弱い」と感じている方。こういった考え方を少しずつでもしていくことで変わっていくことが出来ます。
また、どのような捉え方、解釈の仕方をすると自分がポジティブになれる、這い上がれる、というのは人それぞれですし、状況によっても異なるでしょう。それを知ることも重要です。固定観念を捨てるコトも一つの手ですね。
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