【国際コーチング連盟への申請とは?】

コーチとして活躍している方、活躍したいと思っている方は国際コーチング連盟(以下、ICF(International Coaching Federation)とします)から認定されることを意識している方が多いです。かくいう私もACC(Assosiate Certificate Coachだったかな?)です。

ICFの認定コーチになるには色々条件や申請するものがあるのですが、そのうちの一つに実際に行ったセッションを録音して送付する、というものがあります。ただ、ICFはアメリカにある団体なので日本語でセッションを録音しても理解できないでしょうから、そのセッションをスクリプトに書き出して、それを英訳して送る必要があります。

私は別ブログの略歴でもある通り、学生時代は英語が大嫌い、大の苦手でしたが、さすがに仕事で英語に絡んで、実際にアメリカ4年、シンガポール4年の赴任して生活したことである程度は使えるようになりました。

アメリカ(ハワイ)とシンガポールのマーライオン

自分もコーチングを学び、ICFのための講義を受講したおかげでICFの求めるものを理解できてきました。

【以前、PCC申請の方へ英訳させていただきました】

そんな中で知り合いのコーチですでにACCの方なんですが、PCC(Professional Certificate Coach)申請のためにスクリプトを英訳できる人を探している、ということを何かの講義か勉強会で伺って、つい軽い気持ちで『やりましょうか?』と言ってしまいました。

PCCだとセッション2本をICFに提出する必要があるのですが、一本大体30~45分くらい。A4サイズで14~15ページでしょうか。自分もコーチングを学び、ICF申請向けの講義も受講していたのでICFの求める資質や倫理基準は理解しています。ので、できるだろう、と思ってやってみました。

いざ始めて見ると、なかなか苦労します。というのは、そもそもの文章が英語にしやすいような文法的に整った日本語ではないし、感情の入った文章(これは日本語ではわかりますが、英語にする時にそれが伝わるような文章、単語選びが難しいです)などなど。あと日常会話だと綺麗な言葉だけじゃなくてかなり砕けた言葉を使ったり。そういった文章をニュアンスを掴みながら、かつ、ICFの倫理規定に沿った英文にしていきます。今回はPCCの方だったのでセッションの構成自体は非常に綺麗でわかりやすく、私の方も非常に良い勉強になりました。

途中、表現やニュアンスを依頼者の方に相談しながら気に入っていただける英文にできました。また、その2本を申請して無事PCCに合格した、と伺ったときは私まで嬉しくなってしまいます。

【自分のACC申請も自分で英訳しました】

昨年(2022年)、ICFの申請規約が変わる前に私も慌ててACCの申請を行いました。セッションを何件か録音させていただき、メンターコーチに聞いてもらいながら、コレ、というセッションをスクリプトに書き出し、自分で英訳しました。

人のセッションを英訳するよりも、メンターコーチにある程度お墨付きをもらったとはいえ、自分のセッションを改めて英訳していると色々課題を感じます。例えば、質問する際に基本はオープンクエスチョン(What、Howなどで質問する)を使うんですが、たくさん質問しているとたまにそのまま英訳するとクローズドクエスチョン(Yes/Noで答える質問)になってしまっているものもあります。クローズドクエスチョンはICFに限らず、一般的にコーチングのスキルとしてはあまり良いものではありません。日本人が日本語でのセッションを聴いているとオープンクエスチョンのようなやり取りになっている質疑が、英語で直訳するとどうしても「Do you・・・」「Would you・・・」のようなクローズドになってしまい、ICFの審査官に良い印象は与えないかな、と思い、英訳上はオープンクエスチョンにする、ということもしました。前出のPCCの方ではそういうことはあまりする必要ありませんでしたが、慣れの少ないACCだとまだこういったところは出てしまいますね・・・。

それで録音、英訳版、その他諸々の書類をICFに送付し、2~3か月のレビュー期間を経て無事合格、その後のCKA(筆記試験)も一発で無事合格し、ICFのACC認定、となりました。

個人や内容を特定できないようにところどころを伏せています。

【その後も何名かのACC申請のための英訳させてもらいました】

その後も知り合いの方からの紹介もあって何名かの申請のお手伝いをさせていただきました。

もうある程度慣れたもので英訳すること自体はそれほど苦労しません。ICFの倫理規定に沿った英訳をしながらそのセッションの臨場感を感じながら如何にそれを英文に盛り込むか、と考えるのが楽しいです。日本語ではあって英語ではない表現等もありますから、それを如何に英語で表現するか、を考える。そういった苦労?が依頼者の方に伝わるわけではないですが、無事合格した、と伺うと非常に嬉しいですね。もちろん、もともとのセッションの完成度が高いことが大前提ですが(笑)。また、そこから自分自身のセッションへの改善点も見つかるので自分のセッションの完成度も上がってきていると思います。

もし、ICFへの申請を考えていて、英訳に困っていることがあれば気軽に相談くださいませ。

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