続きです。

先のブログでは①と入れ忘れました(笑)。

テーマは先のブログきっかけで思い出したのですが。

失敗は成功の元?

良く自己啓発の本やセミナーでは失敗を恐れず行動してみよう、失敗から色々学ぼう、失敗は己を成長させる、といった言葉が良く出ていて、それに反対する人はいないでしょう。

ただ、企業にいると、少なくとも同じ失敗は許されません。社員個人にとっては初めての失敗であっても会社、組織としては過去に別の人がその失敗している、ということは避けなければなりません。

特に大企業では同じ(似たような)失敗が出てしまうとマスコミ、メディアに大体的に報道され、社会的な信用を大きく下げ、会社の影響に大きな影響を及ぼします。同じ失敗ではなかったとしてもお客様対応をちょっとでも間違えるとインターネットの口コミやSNSでやり玉にあげられ炎上する、というご時世です。実際経営者はそこに非常に敏感になっており、メディア対応、ネット対応は大きく重要な経営課題になっています。

それはつまり、若い人、新入社員は過去の先輩がした失敗は絶対に出来ない、ということになります。顧客対応、製品クレーム、労務問題、広報etc….。ちょっとしたミスでも会社としては大きな損害を受けるため、避けなければならないのは当然です。失敗は成功の元、賢者は他人の失敗から学ぶ、など、経営者であれば失敗から多くを学び、再発防止を務めるとともに経営に生かしていかなければなりません。

一度、失敗すると・・・

私は元々技術者だったのでここでは製品の品質問題に対して述べてみます。他のテーマについても大きく変わることはないと思います。

一度大きな品質問題を起こすと、それが製造起因であろうと設計起因であろうと原因を究明し、対策し、今後の製品開発において再発させないような手を打ちます。

社内では品質を管理、保証する部署が音頭を取って責任部署を明確にし、その責任部署に上記のようなことをさせます。それを経営陣に報告して承認を得るところまで行くのですが、責任部署の担当者、責任者は辛い日々ですね。内容によっては一か月、半年、一年かかることもあります。

原因は意外とシンプルで、担当者がまだ経験が浅くそれについての知識がなかった。それを周りで支える仕組みがなかった、グループ内、課内、室内でレビューが十分ではなかった、レビューはしたがそこに知識のある人が参加していなかった、などなど。中間管理職のところでも少し述べましたが、開発スケジュールに余裕がない中で社内の品質を保証する仕組みを網羅しなければならない。ISO9001のエビデンスとなる書類も多く作成しなければならない、など担当者一人一人に負荷がある中でなかなか集まってレビューをするのは難しいです、現場的には。また、彼ならこれくらいなんとかするだろう、分からなかったら訊いてくるだろう、という期待も勝手にしてしまいます。実際には仕組み網羅する会議をやるはやるのですが、会議をすることが目的になって品質を見定める会議になっていないことも往々にしてあります。あっちゃいけないんですけど。

が、実際に経営陣に原因を報告する際には上記のように報告すると理解が得られやすく、また再発防止がしやすい(ルールを作る)、という側面もあります。

初めての業務でも失敗できない。

といった感じに最終的にはその失敗は過去トラ集として残り、その失敗を起こさないための仕組みが増え(担当者の負担は増える)、人は増えないけど、スケジュールは変わらない、DX化等で多少効果的に出来るところはありますが、追いついていないところもあります。

で、若い人、慣れていない人に対して上司や先輩は「あの手順書読んでやってみて」「過去トラ集のチェックシートやっておいて」といった指示をしがちです。その手順や過去トラの背景も分からないまま、ひたすらチェックするという作業に追われ、本人の知識、経験にはなり得ません。なんなら過去トラチェックシートでやばいものが見つかって、設計のやり直しが発生したり・・・。これはある意味失敗なので知識、経験になりますが、先輩からはスケジュールの挽回を求められるので知識、経験にしている場合ではありません。

失敗のススメ、とはいえ・・・

といっても上司や先輩は失敗させるわけにはいきません。失敗というとネガティブなイメージがついて回り、失敗体験から自信を無くす、誰かが尻拭いをしなければならないというのが現場の現状です。

若い人が何か提案をしても、「実績がない」「リスクが・・・」と先輩や管理職に言われます。そりゃそうなんですが、やってみて失敗してそこから何かを得れば良いのですがなかなか踏む込むません。

開発期間短縮、開発費縮小、DX化でのノウハウのIT化など、若い人は失敗を通じて学ぶ機会がかなり少ないです。逆に今はDX、ITを駆使して効率よく、要領よく仕事をする方が良くて、個別の仕事に関する経験や知識などはどうでも良いのかもしれません。私も昔は創造力の必要な設計者、技術者はAIには置き換わらない、と思っていましたが製品設計などはAIに取って代わられるんでしょうね。

会社に残るにしても転職するにしてもその職場、仕事で何を得たのか、というのをしっかり言語化出来ると良いのですが、それも出来ない状況というのは中堅社員にとって非常に辛いことでしょう(私は幸いそういう経験はありませんが)。

こちらでも軽く自己紹介しています。⇒コーチ探せる事業継承面門ネットTruly App

Twitterでも軽く呟いています。

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