『下手を固める』と言う言葉があります。
これってゴルフ界だけですかね??他ではあまり聞いたことがないのですが・・・。
自己流でひたすら練習しても、その繰り返し練習によって綺麗ではないスイングを固めてしまう、その結果上達しない、というようなことです。だからレッスンに通って正しいスイングを学んだ方が良い、などと言われるわけです。ですので私も先輩(?)に言われてゴルフ始めた当初は雑誌やレッスン書を読んだり、実際に習ったりしました。
初めに・・・
『下手を固める』とはもしかしたらゴルフ界だけの言葉かもしれません。ただ、他の業界(?)でも同じようなことは考えられるので自分の立ち位置に置き換えて考えてみてください。基本的にゴルフでの話しを中心に考察してみます。
ちなみに私はただのゴルフ好きでティーチングプロでもレッスンプロでもありません。ただ、ライフコーチとして、メンタルコーチとして色々思うことはあり、それをゴルフで例えると(私は)話しやすいのでゴルフネタにしているのみです。こういった思考もあるんだな、と言う風に感じ取ってもらえれば幸いです。
練習しても上達しない(と思っている)人
下手な練習をしても上達しない?下手な状態で固まってしまう?本当にそうでしょうか?
全く初めてゴルフを始めてどうボールを打っていいか分からない人、会社で誘われていきなり数週間後にラウンドデビューすることになった、と言うような人にはレッスンは非常に有効です。下手を固める以前に本当の基本を取り合えず知っておくことです。所謂、『緊急かつ重要なこと』な扱いです。
ただ何も考えずに練習することを目的にしている人、エクササイズ、運動不足の解消方法として練習場で打っている人は固めてしまうかも知れません。爽快感を求めている人、ストレス解消に打っている人もいらっしゃいます。そういう方は上達することを目的にしているわけではないのでそれはそれでよいわけです。つまり、下手が固まってしまっても何の問題もないわけです。そこで気持ちが変わってくるかもしれませんが・・・。逆に練習しても上達しない人がこのようなことを理由(言い訳?)にしているかもしれませんね(笑)。
目的意識を持って練習している人
ただ、上達したいと思っている人で練習する時に何も考えないで何百球も打っている人ってあまりいないと思います。それなりに目的を持ってこんな球を打ちたい、飛ばしたいなどの目的が明確でそのための練習、上達に繋がる練習をしています。もちろん、自分にとって正解が分からず悩んでいる人もいるでしょう。
ただ、打った後の球筋を見たり、自分でスイング動画を取ってみたりしながら理想の球筋を求めて試行錯誤しているわけです。つまり、正解を求めて一球一球違う打ち方をしているわけです。
ですので、固まることはないのではないでしょうか?正解に近い球筋の根拠が分かればその再現性を求めて繰り返し練習をして固めればよいわけです(実際に固まるかどうかは分かりませんが)。
もし上達したいのになかなか上達しない人、それこそ下手を固めてしまっている人(それほどいるとは思えませんが)は練習することを目的にしている、球数を打って満足していないでしょうか?
練習して(いつかは)上達する人
本当に上達したければ、言い換えれば上達するための目的が明確な人、は一球一球、自分の身体を使った実験をしています。ここを意識してみよう、こんなグリップにしてみよう、ボール位置をここにしてみよう、これだけ大袈裟にやったらどんな球筋になるかな、など。打った後の球筋もそうですが、自分の身体の動きに敏感になって一球から非常に多くのフィードバックを得ています。
こうして得たフィードバックによって積み上げられた経験値は自分の血となり肉となります。実際のラウンドや競技中、誰も助けてくれない時に非常に多くの引き出し、もしくは自信となります。
一方、教わったこと、というのは一度上手くいかないと『何故だろう???』とかえって混乱をしてしまい、収拾がつかなくなってしまいます。頭で理解していても実は身体がその通りに動いていないことがあったり、練習場の平らなマットの上から打つのと傾斜のある、風もある、芝の深さもある実際のラウンドでは全然違います。そこでは応用を利かせることが重要ですが、そこは自分で苦労した経験が活きてくるわけですが、それが不足しているわけです。習ったことはすぐ忘れる、と言う人もいます。
もちろん、短期的にある程度まで上達したい場合はレッスンなどの知識も大いに有効です。ただ、ある程度になるとワンポイントレッスンなどではなく、根本的に自分のゴルフスイング、ゴルフ哲学を見直す必要があるでしょう。そこにはワンポイントレッスンなどではなく、1年、2年かけてじっくり自分の癖や思考に付き合っていかなければなりません。それに寄り添ってくれるコーチがいれば良いですね。
まとめ
個人的に『下手を固める』というのはありえない、と思っています。ちゃんと目的を持って全身を敏感センサーにして練習していれば上手に固まることはあっても下手に固まることはないでしょう。
以前も触れましたが『遠回りが一番の近道である』というイチロー選手の言葉。本質的に成長しようと思うと目の前の目から鱗のこぼれるレッスン、知識よりもその根拠を自分なりに分析して身に着けることの方が重要です。所謂、『緊急ではなく重要なこと』にすることです。
ゴルフに限らず、どのようなことでもそのような思考を持って取り組むことで自分の成長に繋がります。
コメント