今回は組織開発、について述べてみたいと思います。

組織開発、といってもどうすることが組織開発なのか、組織開発された組織とはどういうものなのか?定義は特にないと思います。ちょっと前から言われているのが360°評価、職場力アンケート。過去はどちらかというと上役が部下、メンバーを評価することが多かったですが、メンバーが上司を評価するという風潮が出てきました。雰囲気ですが2015年くらいから??

職場力アンケートはメンバーに対してモチベーションや方針、目標の理解度、などのアンケートを取って数値化するもので、100点満点だったような感じで高得点の方が良いと。

360°評価は私はやったこともやられたこともないのですが・・・。

これらの評価が高い組織が組織開発された組織ということですかね。

大昔にマレーシア出張した際に同行した(わけでもないですが)、製造部の管理職の方と現地で酒飲みながら夕飯を食べていた時のことです。その方は年に一度ほど、部下、メンバーに対して何でも好きなことを言ってもらう、無礼講で不平不満をぶちまけてもらう会を設けていたそうです。誰に言われたわけでもなく、自分で企画してやったそうです。工場の作業現場での管理職だったのでメンバーはほぼ定型業務をちゃんとこなしていて残業は営業からのオーダーに応じて多い時もありますが、それはどこでも同じ、ということでそこまで不満は多くはないだろうと、思っていたようです。

が、実際やってみると出るわ出るわ・・・。その方の人格を否定されるようなことまで出てきたようです・・・。その時は私もまだ入社して4~5年目だったのでそういう会を設けるその方も、上司に対してそこまでいうメンバーの方にも驚いたのをよく覚えています。

ただ、そういう会を設けていこう、メンバーの仕事に対する雰囲気が大きく変わって、退社する人もいなくなったし、残業をお願いしても比較的快く引き受けてくれるようになったそうです。また、会の2回目以降は不平不満は出てくるものの、人格否定みたいな言葉は出てこず、むしろ不平不満からの改善提案等だったそうです。

上司、管理職から見て上手く回っている、と思っても実際にはものすごい不満を抱えながら仕事をこなしてくれているメンバーに感謝の気持ちが芽生えたそうです。

最近は職場力アンケート等で数値で出てしまうのでショックを受ける管理職も多いと思うのですが、(酒の力を借りながら)面と向かってはっきり言われるのもかなり辛いんだと思います。

私が管理職の時にコンサルにしていただいた組織開発プログラムでは最初に不平不満を吐き出してもらうことをしました。メンバーにその組織の状態をイメージの絵で表してもらいます。他人事としてみていると非常に創造的で面白い絵が出てきます。戦場でメンバーが特攻していて、管理職が後ろで踏ん反り返って『行けぇ~!!』と指示を出している絵。大迷路にメンバーが彷徨っているところ、管理職が上空から眺めている絵、現場に即したところでは会議の場で管理職が一人のメンバーに叱責していて、他のメンバーは居眠りしたりスマホいじったりしている絵。自分の課では最後の会議の場で、の絵を描かれました。叱責していたわけではないんですが、メンバーからそう映っていたようです。メンバーのためを思ってやっているのに・・・。そんな気持ちになりましたね~。この辺が課長イジメ、と呼ばれる要因です(笑)。こちらのブログ参照

そのプログラムではそれらの不平不満に対して管理職が対応策、改善策を考えてメンバーにコミットする、という感じです。でもこの改善策をメンバーにダメ出しされます。『それでなんで良くなるの?』『それは現実的ではないのでは?』といつもメンバーに言っていることを言われます(笑)。

さて、こういったプログラムに対して組織を良くする結果、つまり職場力アンケートで高得点を取ることを目的にしてしまうとプログラムが終わったら、またアンケートが終わったら元に戻ってしまいます。実際そういう組織は多いですね。プログラム後もずっと良くなっている組織、というのはその管理職の価値観が大きく変わった場合に限られます。管理職の価値観が変わらないとプログラムを終わらせるためにその場の見た目だけが良くなります。

価値観が変わればアンケートや360°評価などに惑わされる必要がなくなります。仕事での成果が出る、メンタルで病んで休む人がいなくなる、退職する人がいなくなる、という組織になります。単純ですが、これが良い組織じゃないでしょうか?

私?私はシンガポール時代に同じような目に合ったことがあるのでその時にある程度は変わっていたと思います。このプログラムではその時の経験、自分で学んだことが体系だてて理解出来たのでより変わりやすくなりました。ただ、隣の課の管理職はあまり変われなかったようです。また、我々の上司だった室長もあまり変わっておらず、でしたね。また、プログラム後はどちらかというとメンバーに寄り添うことが多くなりますが、それが故に自分の上司とぶつかることも出てきます。そこが新しい課題ですね(笑)。今までは上手くいかなければメンバーのせいにすればよかったのですから。なので管理職の上司にも変わってもらわなければいけません。ただ、他人を変えることは出来ませんので自分の捉え方、行動を変えるしかないのですが、それが出来ないと色々な意味でプログラムでやったことが無駄になってしまいます。これは自分が組織開発のコンサル的な立場になってからも実感しました。

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